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短編小説「黄金の稲穂は揺れる」(12)
 チュチェ110(2021)年に出版された短編小説「黄金の稲穂は揺れる」
第12回

 夜が更けるまで見取り図を検討していた金正恩総書記は、見取り図に描かれたものよりもっと立派な新しい村を建てる構想を練った。平屋だけでなく、ユニークな2階、3階、低層アパートも建て、それにふさわしく平屋を配置し、子供たちの学校は日当たりのよいところに建ててあげよう。
 農民が利用する文化会館は、大きくはないが道芸術劇場も顔負けするほどの誰もが羨む近代感覚にマッチした良質の備品を揃えてあげなければならない。
 何といっても重要なのは、農民が利用する住宅だった。農民の要求を参考にして便利でありながらこじんまりとしたものに、天井の高さも推し量り、台所用品も完備してあげなければ。自家菜園もあり、さっぱりとした垣根もめぐらしたら農民がいかに喜ぶだろうか。
 農民の笑いと喜びのためなら、絶対惜しむものがない。自分を捧げて黄金の稲穂を育てている人たち、皆が美しい人たちだ、美しい人たちは当然ながら生活も潤いあるものになければならない。
 この地にゆれる黄金の稲穂は他でもない自分を育てた人たちの真心と愛情を歌っている。
 カンミョン里に建てられる住宅はこの美しい人たちの歌とともに最高のレベルで質的に建てられるだろう。
 故郷を離れようとした母親・・・その母の息子が除隊して家に帰ってきたら、見違えるほど打って変わった故郷を見てとても喜び、誇りに思うだろう。
 そして故郷をより美しく築いていくだろう。
 兵士たちの故郷、兵士の胸にしまわれた祖国はこのような水準で築いてあげるべきだ。
 総書記は、この機会を通じて、自信を失い、ためらう人たちに力と勇気を持たせ、人民のためにより献身的に奮闘する労働党のしっかりした意志を世界に見せたかった。
 党の周りに固く結集した人民の底知れない力がある限り、恐れるものはなく、やり遂げられないことはない。
 この人民のためなら党はあくまで母なる党としての自分の義務を果たすだろう。
 車はいつしか、リョミョン通りに入っていた。
 鬱蒼たる森の中に入ったかのようにユニークな70階建てのアパートや大小の高層住宅が粛然とした態度で総書記を迎えているようだった。
 総書記は、ゆっくりと車を走らせた。クムスサン太陽宮殿の広場に着いた総書記は、車から降りて夜明けと共に厳かな感じを与える主席国防委員長の写真を仰ぎ、一歩一歩歩み寄った。
 いっそう偲ばれる思いとともに、生涯、人民の中にいて人民と苦楽を共にした主席国防委員長のように、自分の一生もそっくり人民のために捧げる固い決心で胸がいっぱいになった。
 この日、金正恩総書記はクムスサン太陽宮殿で明け来る朝を迎えた。