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短編小説「黄金の稲穂は揺れる」(13)
 チュチェ110(2021)年に出版された短編小説「黄金の稲穂は揺れる」
第13回

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 その後、ピョンヤンでは敬愛する金正恩総書記の臨席の下に重要な問題を討議し決定する会議が開かれた。
 総書記は人民軍指揮メンバーが兵士を重んじ、部隊の戦闘力の強化のために傾けた献身的な努力を高く評価し、カンミョン里の被害復旧を引き受けた人民軍部隊長を呼び入れた。
 総書記は引き締まった姿勢で立っている部隊長の気持ちをやわらげるかのように言った。
 「カンミョン里の家を新しく建てることで、あなたにちょっと念を押すことがあって呼びました」
 瞬間、部隊長は驚きを隠しきれず、総書記を仰いだ。家の修繕だけだと知っていたからである。緊張したのは席を共にしたパク・チンスも同様だった。すでに新居を建てようとの総書記の意図は知っていたが、総書記が練っている構想とその幅は自分の狭い所見ではとうてい考えも及ばないことだった。
 パク・チンスははじめよりもっと緊張した。あまりにも緊張して息の音まで聞こえるほどだった。総書記は依然と笑いながら話した。
 「私は人民軍を信じ、これまでの立ち遅れに被害まで重なり、凄まじくなったカンミョン里の村をまるごと取り払い、わが党の農村建設の構想、地方建設の方針が確固と具現された社会主義にふさわしい村を建てようと思います。
 これは私の理想です。遠い将来ではなく今に花咲かせるべき現実です。
 大事な私の兵士たちに私の気持ちをぜひ伝えてください。ひとつの家を建て、一本の木を植えても私のこの気持ちが宿るようにしてください。
 新居が建てられたら見に行きます。万事をさておいて行ってみます。さあ、受け取りなさい」
 総書記はすでに用意しておいた設計図を部隊長に渡した。部隊長は単なる設計図というより、人民への総書記の熱い思いが重く感じられ、図面を受け取った。
 総書記は軍隊と人民が力をあわせて農作も良くし、新居も立派に建てるよう力づけてくれた。
 パク・チンスは、かすんだまなざしで総書記を仰いだ。激情がこみ上げてきてどうしようもなかった。総書記が胸に秘めている日差しはいかに無限大で暖かいものか。
 この地のどこにも万遍なく届く日差し、名のないところほどもっと暖かく、もっと熱く差し込んで万物を育てる。パク・チンスはその日差しを受けて黄金色に輝く田野が見えるようだった。
 黄金の稲穂揺れる恵まれた大地が・・・
 
*
 新居入りをする日、カンミョン里の人たちは集まり、金正恩総書記に送る手紙を書いた。ヒョンアが一句一句はっきりとペンを踊らせた。
 「・・・村中が夜遅くまで踊りの輪を広げ、幸せの笑いの花が咲くほど、私たちがなめた災難を癒すため傾けた金正恩総書記の労苦が胸に迫り、こみあがる激情を禁じえません。
 出し抜けの暴雨と強風で住宅と公共施設が倒れ、めちゃくちゃになってしまった田んぼと麦畑を眺めて力が抜けて座り込んでいた私たちでした。なのに金正恩総書記が国の守りについていた人民軍を私たちの農場に送り、まともな建物ひとつなかった里所在地を丸ごと取り払い、わずか何ヶ月のうちに都会の人も羨むほどの社会主義にふさわしい村に築いてくれました。
 もう、ここに生まれ育った人たちも、昔の家の跡を探し出せなくなりました。
 一朝にして路傍に押し出された私たちに宮殿のような新居を建ててくれた天のようなその恩に報いられずにいる私たちですが、新居が気に入るか、聞いてみようと、遠く険しい私たちの村にまで訪ねてこられるとは思いもよりませんでした。
 ・・・私たちは災難をなめた人民を見守ることを一番の国事とし、普通の農場員に住宅をただで建ててあげる国、人民のためなら巨万の資金も惜しまない総書記の恩にあずかり、幸せの涙、感激の涙を流しています。
 敬愛する金正恩総書記、本当に、本当にありがとうございます」