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スタートライン
 一生の理想も抱負も、教え子の夢の実現に惜しみなく捧げる教師の中には、教え子の成功を見られない人もいます。ご紹介するペク・トンナムさんもそのような人でした。  ピョンヤンのマンギョンデ区域課外青少年スポーツ学校の陸上のインストラクターだったペクさんは功労スポーツマンの称号を受けています。



 教え子たちが巣立って国際舞台で頭角を現したとき、ペクさんはすでに、この世を去っていました。





 陰日なたなく33年間を選手の卵の育成に全てを捧げたペクさんでした。
 インストラクターのキム・サンホさんのお話です。
 「ペク先生は、どこでも見られる一般の教育者の一人でした。しかし、ペク先生が残した人生の跡は決して普通のものではありませんでした。
 ペク先生が一生の間、教育者の清らかな心と真面目な努力で守り通したスタートラインに、数え切れないほどの教え子を出発させたそのスタートラインに、今はその教え子たちが立っています」



 ペク先生は現役期間に、アジアマラソン選手権を3度も獲得したキム・グムオク選手を始め、70数人の陸上選手を育て上げました。







 国際競技に優勝して共和国の旗を高々と揚げるとき、朝鮮のスポーツ選手は縁の下の力持ちの存在となって、自分たちを人生のスタートラインに立たせてくれた初の恩師のことを思い起こすのです。