/ 文化 - 科学技術
奇抜なアイディア、新たな工法
 道路舗装の表面処理技術は、環境に優しく、常温状態で道路舗装の工学的性能に合わせて表面の補修を行うので、先進的な補修技術に認められています。
 ピョンヤン建築大学グリーン環境技術交流所では、アスファルト・コンクリート舗装の表面処理技術の研究を深めて、陽イオン・アスファルト乳剤混合物による道路舗装の表面処理工法を完成しました。



 開発で中核的な役割を果たした研究者はリ・シンヒョクさんです。
 今年30歳のリさんは、国内で伝統的な方法で生産して利用した陰イオン・アスファルト乳剤の分析を行う過程に、一つのことに注目しました。乳剤の中のアスファルトの小粒と骨材の表面の粒子が、いずれも陽電子の電荷を帯び、電気的に相互排斥するとのことでした。
 こうしてアスファルトの小粒と骨材の表面の粒子の間の付着力を高める方途を見つけるための文献の研究が深まり、その過程にいいアイディアが浮かんできました。
 研究者のリ・シンヒョクさんのお話です。
 「道路の建設に用いられる骨材は陰電子の電荷を帯びます。陽イオンのアスファルト乳剤を用いれば静電気の結合が成されて付着の強度が高まります。
 そこからヒントを得て研究を進めてきたわけです」
 若い研究者のアイディアを最短期間内に実現するため、交流所の研究チームも取り掛かりました。研究チームは国内の原料による陽イオン・アスファルト乳化剤の合成方法と、それを利用したアスファルト乳剤の製造方法を短期間に確立するよう、私心なく協力しました。
 それで、陽イオン・アスファルト乳化剤の生産工程と陽イオン・アスファルト乳剤の生産工程が構築され、世界レベルの陽イオン・アスファルト乳剤混合物の配合比が決定されました。道路舗装の表面処理に陽イオン・アスファルト乳剤混合物を適用する上での懸案も順調に解決されました。
 陽イオン・アスファルト乳剤混合物を用いた道路舗装の表面処理の施工方法は、施工が簡単な上、道路の強度を保ち、寿命を著しく延ばすことで、好評を博しました。



 昨年、SCIクラスの中でも高いクラスのある国の学術雑誌に、リ・シンヒョクさんと交流所の研究者が新たな工法を確立する過程に共同で著した論文が載りました。
 ピョンヤン建築大学グリーン環境技術交流所が開発した新たな工法は、国中の道路舗装及び補修、その維持・管理に広く利用されています。